WPS Office 2019がリリース & 日本語化
ある日,いつものようにWPS OfficeのWriterを立ち上げると,アップデートがありますよん,というダイアログが出てきました。WPS Communityを覗いてみると,な,なんと,メジャーアップデートされていて,WPS Office 2019のrpmとdebパッケージがダウンロードできるようになっているじゃないですか! CentOSやUbuntuをお使いの方,落として使ってください。はい,終了・・・。
私は,最近はCanonのプリンタドライバ周りに不都合がないので,もっぱらArch Linuxを使っているのですが,数日後には,AURのwps-officeもアップデートされておりました。Arch Linuxでも,問題なくアップデート完了。
なお,WPS Office for Linuxは,ずーっとアルファ版だったのですが,気がつくとベータを通り越して,ちゃんとした製品版になっていますね。いつから製品版になったのでしょう???気づきませんでした。製品版になっても無料だなんて,なんてありがたい。
立ち上げてみると,UIが英語! wps.cnなども探しましたが,どこにランゲージパックがあるのかが分かりません。
2016の場合,この古いバージョンのmuiを~/.kingsoft/office6/mui/に入れたらよかった日本語化できていました。
マイナーアップデートがあったときに同様に英語になったことがあり,~/.kingsoft/office6/mui/の配下にバージョン番号が名前になったディレクトリが作成されており,さらにその配下に英語と中国語のmuiと思しきフォルダがあるので,そこにmuiをコピーしたら日本語化できていました。
なので,今回も,2019のバージョン番号のフォルダを作ってmuiをコピーしてみたのですが,変化なし。英語でも大して困らないので,そのまま使っていたのです。
そうしたところ,昨日マイナーアップデートがリリースされていて,本日AURもアップデートされておりましたので,本日再アップデートしました。yaourtがうにょうにょパッケージを圧縮するのに時間がかかるので,PKGBUILDのインストール先フォルダを眺めていたところ,ふと何かひらめくものがあり,~/.local/share/を眺めていたらKingsoftなるフォルダを発見。前からあったかな?中身を除くと~/kingsoft/とほぼ同じなため,ものは試しに~/.local/share/Kingsoft/office6/mui/に解凍してできたja_JPをぶち込んでみました。その後,Writerを立ち上げると,おもむろにUIが日本語で表示されました。めでたし,めでたし。
というわけで,以下,古い10.1.0.6757用のランゲージパック(mui)で日本語化する手順です。
ランゲージパック(mui)は,Arch LinuxのAURのSourcesに記載されているアドレスからダウンロードします。しかし,このアドレス,一体どうやって探し出したのでしょうね???
aur.archlinux.orgWPS Office 2016のときと同じように,7zファイルを解凍します。
解凍するとカレントフォルダにoffice6というディレクトリができています。その下にmuiディレクトリ,muiディレクトリの下にja_JPというフォルダがあります。
これを~/.local/share/Kingsoft/office6/mui/ja_JPとなるようにコピーします。たしかmuiフォルダまではインストールした時点で作成されているので,muiの配下にja_JPをフォルダごとコピーします。
2016のときは,このままでは日本語化されずに,設定ファイルの言語のところにja_JPと書き足さなければ駄目だったのですが,2019の場合は何もしなくても自動で日本語化されるようです。試しに,設定ファイル中のja_JPを削除してみましたが,それでもちゃんと日本語で表示されました。muiディレクトリ内にシステムのデフォルトの言語に一致するmuiがあると自動でそれを選択して表示するようです。
ただ,UIのフォントがおかしいです。2016までは,ツールキットにQt5を使っているのか,QGtkStyleを使ってスタイルをgtk2に指定すれば,GTK2で指定したフォントで表示されていました。が,2019ではそのフォントの指定が効かずに,見にくい等幅フォントで表示されます。何とかできないかなぁ。
ちなみに,Arch Wikiの「Qt と GTK アプリケーションの外観の統合」のページ,英語版にある肝心な記載が抜けていますね。
- For Qt 5, it can be enabled by installing qt5-styleplugins and setting the following environment variable:
QT_QPA_PLATFORMTHEME=gtk2
For full uniformity, make sure that the configured GTK+ theme supports both GTK+ 2 and GTK+ 3. If your preferred theme has inconsistent rendering after configuring Qt to use GTK+2, install gtk-theme-switch2 and choose a theme.
日本語版では,
- Qt 5 の場合、qt5-styleplugins をインストールし、次の環境変数を設定することで有効にできます:
QT_QPA_PLATFORMTHEME='gtk2'
。完全な統合をするには、GTK+ 2 と GTK+ 3 の両方をサポートしている GTK+ テーマを設定する必要があります。
肝心な「GTK+2を使用するようにQtを設定した後に選択したテーマが不完全にしかレンダリングされないときは,gtk-theme-switch2をインストールして,テーマを選んでください。」という部分が抜け落ちています。以前,WPS OfficeのUIのフォントが気持ち悪かったときは,これで直ったのですが,今回は,gtk-theme-swtich2でgtkのテーマを選んでもこの問題は解決しません。ちょっとだけ困りましたが,実用に問題はないので,我慢することにします。
と,やはり我慢ができずに,Writerをすみずみまで見ていたらわかりました。各アプリケーションを立ち上げたときにいちばん最初に表示されるタブの右上に,Settingsというボタンがあります。そこをクリックすると,ドロップダウンメニューが出てくるので,さらにSettingをクリック。
setting.skinのsetting.skinOption.customをクリックすると,「皮朕中心」というダイアログが現れます。そこの「自定又?必?外観?」(中華フォントなので日本語の漢字だと何に相当するのか今ひとつよく分かりません)タブをクリックすると,界面の字体字号というドロップダウンメニューでフォントを選べます。
自前のツールキットを使用するようになったのですね。アプリの容量がえらく増えたような気がしたのはそのせいでしょうか。見た目がきれいになったので満足です。